憧れ
憧れでした。
私と同じ名前の役を演じていて、そのお話も役もとても素敵で、
私は自分の名前がまた少し好きになりました。
いつか遠目でもいいから実際に見てみたいと思っていました。
いつか会えるような気がしていました。
その繊細な仕草と目線と声とが好きでした。
強くて優しくて儚くて美しくて
そんな人になりたいと思っていました。
憧れでした。
こういうのを憧れというんだと思いました。
憧れをうしなうことは、
身近な人をうしなうのとはまた違った悲しさがある。
より悲しい気がする。
その人を感じる手段が何もない。
これからどんなに頑張っても追いつけないし、会えることはない。
秋の入口だから、余計に悲しい。
人生はその人のものだ。
でも、のこしていったものを、私は観ることができますね。
悲しいです。
でもきっとこれからも、憧れです。